ルーマニアワイン コトナリ  KJスクェア

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目次

  ルーマニアワイン





ルーマニアワイン:グラサ・デ・コトナリ

ルーマニアワイン:タマイオアサ・ロマネアスカ

ルーマニアの民族衣装を着た女性がブドウを収穫しているところ

ルーマニアのコトナリの畑で、貴腐と遅摘みの影響でブドウがしぼんでいる

    ルーマニアワインの歴史 
    ルーマニアのワイン生産地とブドウ品種
    ルーマニアのワインに関する法律
    甘口白ワイン

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| - | 00:51 | comments(11) | trackbacks(1)
ルーマニアワインの歴史
現在、ルーマニアは世界第12位のワイン生産国です。
10年ほど前は世界第6位の生産大国でしたが、今は品質の向上を志向しているため生産量を落としています。
当時はフランスやイタリアへバルクで輸出し、フランス産、イタリア産ワインとして日本へ輸出されていました。
ワインの歴史は古く、ギリシャ神話に登場するデュオニソス(ワインの神様バッカス)はドナウ川の北部、現在のルーマニア・モルダヴィア地方周辺の出身といわれています。
ワイン造りは紀元前よりこの地方で行われており、事実、モルダヴィア地方では5、6千年前のワインの容器が発見されています。

この地にはダキア人が定住していましたが、西暦106年にローマ帝国の属州となりました。
このローマ時代にローマの文化を取り入れたことが東欧で唯一のラテン国家といわれる所以です。
しかし、バルカン半島の北部、ヨーロッパの東部に位置し、黒海にも面したこの豊かな風土ゆえ多くの国の侵略に翻弄されることになります。
これまでにギリシャ、トルコ、オーストリア、ハンガリー、ドイツ、ロシア等の侵略や干渉にあってきました。

ワインに関しては、15世紀にモルダヴィア公国とワラキア公国が存在し、モルダヴィア公国のステファン大公がワイン造りを奨励し、公国の主要産業となっていたことからコトナリのワインがヨーロッパの皇帝、国王に好まれ「モルダヴィアの花」「モルダヴィアの真珠」と呼ばれ常飲されていました。
当時は両公国ともオスマン帝国(トルコ)と戦っていましたが、ワラキア公国のヴラド・ツェペシュ大公は戦いの激しさゆえ残虐さが強調され後にドラキュラのモデルとされました。

19世紀にはプロセイン(ドイツ)のホーエンツォレルン家からカロル一世を公に招聘し、1881年にルーマニア王国となりました。
今のルーマニアの領土となる大戦後の1947年まで隣国に翻弄されましたが、フランス王室に血縁関係のあるカロル一世の影響でフランスとは緊密になり、ワインの交流も盛んでした。
ナポレオン一世もコトナリのワインを飲んでいたとされています。
また、現在ルーマニアで多く見かけられるフランス産のブドウ品種は、当時に移植されたものです。
そして1889年のパリ博覧会でコトナリワインがグランプリを受賞し、ウィーンやブダペストの万国博覧会でもメダルを受賞し、パリのレストランでコトナリのワインがもてはやされました。

大戦後は社会主義体制となりその後の独裁政権により西側諸国との交流はなくなり、ルーマニアは閉ざされた地域となりました。
コトナリワインも西側諸国から姿を消すこととなってしまいます。「幻のワイン」とさえ言われていました。

1989年、独裁政権のもとでの国民の困窮から革命が起こり、時の大統領チャウセスクが処刑され政権は崩壊しました。
以降、ルーマニアは民主主義・自由経済へと移行するわけですが多くの混乱の中で遅々として進まず、今世紀になりようやく変貌を遂げようとしています。
ワイナリーもロシア向けの量産体制から品質重視の生産に移行しています。
既にいくつかのワイナリーはフランス、イタリア、ドイツから資本出資があり、技術提供もなされています。
これからも質的な向上が期待できます。
EU加盟をきっかけにルーマニアの情報が世界にもたらされ、ワインも国際的に再評価され多くの人に飲まれることとなるでしょう。

| ルーマニアワイン | 23:43 | comments(1) | trackbacks(0)
ルーマニアのワイン生産地とブドウ品種
ルーマニアの主なワイン産地

ルーマニアはこれまで非常に恵まれた土地環境を求めた隣国の侵略の脅威に度々さらされてきましたが、ブドウ畑も世紀を乗り越えて、未だに質の高いワインを生産しています。

ルーマニアは緯度的にはフランスとほぼ同じで、すばらしいワインの生産を可能にしています。実際、ルーマニアを旅行すると各地でブドウが栽培されるのを確認できますし、自家製ワインを造り楽しむ家庭も決して少なくありません。

ルーマニアの中央部にあるカルパチア山脈と東の黒海沿岸部により、それぞれの地形に適したブドウが栽培されています。主なワインの生産地域は下記の4つに分けられます。

■コトナリ【Cotnari】
ルーマニアの東北部、モルダヴィアの北西部にあり、この地域は甘口の白ワインの生産に理想的な環境で、石灰岩の土壌と暖かい気候によりブドウの糖度を高めます。また、貴腐菌(ボトリティス・シネレア菌)の発生があり、11月の中頃まで可能な遅摘みにより一層の甘口ワインができます。この地域産ブドウのほとんどは、古来からあるルーマニア原産の品種です。

■トゥルナバ【Turnava】
トランシルバニア地方のカルパチア山脈に囲まれた高原にあります。涼しい気候のため、糖度は低く、フルーティーで主に白ワインを生産しています。

■ムルファトラー【Murfatlar】
黒海からちょうど数マイルの位置にあり、年間の日照時間が長く気候も安定しています。石灰質の平野で赤・白のワインを造り、多くの企業が畑を所有する地域でもあります。近年ではムルファトラーで造られる赤ワインの評価が以前に増して上昇しつつあるようです。

■デアル・マーレ【Dealu Mare】
カルパチア山脈の南から南東に位置した緩やかな傾斜面の丘で、そのうち、ブドウ畑の占める面積は15,000ha程だそうです。この地域は、日中の気温差が激しく、柔らかい口当たりの赤ワインが生産されています。ブドウの栽培地としては理想的な環境で、高品質のピノ・ノアール、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー等のワインを中心に生産しています。 ワインの歴史が古いことから、在来種が豊富なことが特徴です。



ルーマニアのブドウ品種

白ワイン
■グラサ・デ・コトナリ【Grasa de Cotnari】
コトナリを代表する在来種で、グラサとは「高貴」「ふくよか」を意味し女王のワインと言われます。その通りに豊潤な甘さと色合いが特徴で遅摘みと貴腐の影響で蜂蜜のような味わいです。

■フェテアスカ・アルバ【Feteasca alba】
ルーマニアを代表する在来種で、主にモルダヴィア地方、トランシルバニア地方で栽培されています。高地にあるトランシルバニアはフルーティですが、モルダヴィアでは甘口が特徴です。「白い乙女」と訳すことができ、透き通ったような黄金色で、フルーティな酸味と遅摘み、貴腐による甘さが加わりナチュラルな味わいになります。

■フェテアスカ・レガラ【Feteasca regala】
トランシルバニア産の品種で、ルーマニア全土で栽培されています。名前は「王女」という意味です。

■フランクーシャ【Francusa】
名前は辛口という意味合いを持つルーマニアでは数少ない辛口の品種です。透き通った黄緑色の色合いで、心地良い酸味と端麗な味わいが特徴です。

■タマイオアサ・ロマネアスカ【Tamaioasa Romaneasca】
Tamaieとは教会で焚くお香のことで、訳せば「聖なる香り」となります。その名の通りバジルや干草のような香りと複雑な味わいから、根強い人気があります。

ロゼワイン
■ブスイオアカ・デ・ボホティン【Busuioaca de Bohotin】
モルダヴィア南部のフーシという地域でのみ造られるロゼワインです。この独特のルビーレッドの色と味わい香りが有名で、ルーマニアではお祝いの場で飲まれ多くのレストランが常備しています。50年代にルーマニアの国民的歌手マリア・タナセが歌でこのワインを賞賛したくらい心を和やかにする魅力ある甘口ワインです。

赤ワイン
■フェテアスカ・ネアグラ【Feteasca neagra】
ルーマニアでも数少ない黒ブドウ品種で「褐色の乙女」という名前が付けられています。モルダヴィア地方では遅摘みにより甘さが加わり、豊かな味わいとなります。

| ルーマニアワイン | 00:59 | comments(1) | trackbacks(0)
ワインの生産に関する法律
ルーマニア
には、フランスやイタリア等に見られるような規定があります。
■D.O.C.C.-----最も高い品質を要求され、DOCよりもさらに厳しい規制がある
■D.O.C.------原産地統制名称ワイン
■V.D.O.C.-----原産地統制名称上質指定ワイン
■V.S.-------上質指定ワイン
■V.M.-------テーブルワイン

上記のものに、下記の収穫時の状況規定が加えられます。(例:D.O.C.-C.I.B.)
●C.M.D.------完熟期に収穫されたもの
●C.T.-------遅摘み
●C.S.-------選別後収穫
●C.I.B.------貴腐菌発生後の収穫
●C.S.B.------ブドウがレーズンのような状態になった後に収穫
●C.M.I.------貴腐菌が発生し、完熟した後に収穫

糖分包有量区分については下記のように定められています。

▼ 辛口:1リットルあたり4グラム未満
▽中辛口:1リットルあたり4グラム以上12グラム未満
△中甘口:1リットルあたり12グラム以上50グラム未満
▲ 甘口:1リットルあたり50グラム以上

使われたブドウ品種をワイン名として使用する場合(例:コトナリ社の「グラサ・デ・コトナリ」等)は、その品種が85%以上使われていなければならない。

これらの規定は、農業省・国立ワイン協会・国立調査委員会によって調査・評価される。

前述の国立ワイン協会の規定によると、DOCを名乗るには白ワインの場合、最低1、2年、赤ワインの場合は最低2、3年の熟成が必要とされ、その半期はオーク樽での熟成を義務付けている。国内の主要生産地域には14の公的な検査機関があり、物理的・化学的な検証が行われている。この検査機関所属の検査官と化学者はそれぞれ独自のシールを所有しており、ブリュッセルにあるEUの公的機関にそのコピーが申請されている。

| ルーマニアワイン | 01:09 | comments(8) | trackbacks(0)
甘口白ワイン
コトナリワインの特徴は甘口であることです。
それはルーマニア人が甘口を好むということではなく、環境が甘口ワインを造るのに適しているのです。
甘口ワイン造りにはブドウの糖度を上げることが必要です。
その条件として遅摘み、乾燥、貴腐菌等がありますが、コトナリのワインはこの条件をすべて満たしています。

モルダヴィアは北のウクライナから連なる山脈のゆるやかな南斜面に位置し、北からの寒い風をさえぎられ、南からの温かい風により緯度に比べ温暖で遅い時期の収穫が可能になります。
ビニアのワインのラベルには「LATE HARVEST(遅摘み)」と書かれています。
また、南からの風は乾燥しておりブドウの糖度は更に増すわけです。
ルーマニアは寒暖の差が激しく、コトナリのあるヤーシ県でも冬になると零下20℃以上になりますが、雪が降ることは少なく、事実、厳寒期であるこの1月末に私たちはワインをコンテナに積み込んでワイナリーからコンスタンツァまで搬送してきました。

コトナリには川や湖が多くあり、特にBahlui川の周辺ではボトリティス・シネリア菌(貴腐菌)が発生します。
貴腐菌は人為的に発生させることはできず、ある条件が揃った地域でないと貴腐ワインは造れません。
貴腐ワインはフランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケン・ベーレン・アウスレーゼ、ハンガリーのトカイ・アスー・エッセンシアが有名ですが、コトナリではアウスレーゼやエッセンシアのように粒を選んでワインを造るのではなく、貴腐ぶどうと遅摘みぶどうを混ぜることでよりナチュラルで軽快な甘さを造り出しています。
ですから毎日飲んでも飽きることがありません。

中世にはヨーロッパの王侯貴族が薬として飲んでいました。
媚薬として飲んでいたという説もあります。
現在でもモルダヴィア地方の人々は「コトナリのワインは身体に良い、長生きする。」と信じています。
実際にチャウセスクが好んでいたらしく、政権崩壊の際にワインセラーはコトナリで埋め尽くされていたといいます。
モルダヴィア地方のジョークで
「もしチャウセスクが処刑されていなかったら、今も元気でいただろう。何故なら彼はコトナリワインを飲んでいたから。」
と言われています。

現在、赤ワインにはポリフェノールが含まれ健康に良いともてはやされていますが、白ワインも抗菌作用があり、赤ワインと同じくペプチドが含まれ健忘症を防ぐと言われています。
またカルシウムやマグネシウムが含まれミネラルバランスが良いのです。

甘口白ワインは冷やせば一層味わいが引き立ちます。
食前・食後に、休日の昼間にブルーチーズ、フルーツ、ケーキなどのスイーツ合わせてください。

| ルーマニアワイン | 01:21 | comments(4) | trackbacks(0)
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